2017年4月25日 更新

スイーツで旅しよう ~maacoの旅スイーツ~

旅で出会った生産者さんや食材を使ったスイーツを紹介するとともに、知られていないその土地ならではの食事情や特産品、ご当地の魅力を発信する、読みながらちょっぴり旅気分もお楽しみいただけるマガジンです。

 スイーツで旅しよう:10月号 はじめに

”食と人をつなぐ”
美味しいものに出逢えることは、心が満たされ、皆が笑顔になる瞬間だと思います。そんな幸せなひとときを大切な人たちに提供してあげたい。
”maaco” とは
Mange=食べる Connectz=つながる、の造語。
食を通して人をつないでいきたい
そんな思いを込めて、日々スイーツを作っています。

家族全員食べることが大好き!
帰省するときは、ある意味気合を入れて帰らないといけないくらいよく食べ、よく飲む私の家族。母は自家製の味噌や糠床、梅作りなど、とにかく昔から手作りに凝るタイプだったので、小さい頃からお菓子作りもよく手伝っていました。きっとそんな毎日がきっかけでお菓子作りが好きになったんだと思います。
中学時代は、作ったお菓子を人にあげて喜んでもらえることがとても嬉しくて、新しいお菓子を作っては、欲しいと言われてもいないのにクラスの友達に配っていたことを思い出します。
「もっと食の道を深めたい!」そんな思いで大学では栄養学を学び、アルバイトではパティシエの見習い。休日もトレンドのレストランや友人の働くお店に食べに行ったりと、大学時代の1日の大半は食に関わる時間を過ごしてきました。
パティシエ、デザート会社での経験を活かして、現在はフリーのパティシエとして日々スイーツを様々な形で発信をしています。

地方出張のこと
お仕事のひとつに、日本の小さい生産者さんや道の駅事業で、メニュー提案や開発をさせていただく機会が年に何度かあります。毎回現地に出向くのですが、今まで知らなかったご当地の食材や、実は地元でよく食べられている美味しいものなど、その土地に行ってみないと分からない日本の魅力がたくさんあることに気づかされます。旅をした中で出会った食材でスイーツをご紹介するとともに、このマガジンを読んでいただいて、”日本の美味しい!”をより知っていただけたら幸いです。

 スイーツで旅しよう:トキのいる島”佐渡島”

旅スイーツ第一弾は新潟県の離島”佐渡島”

人口は約59,000人(平成27年3月末)、四方を海で囲まれている島では豊かな土壌と気候を活かした農業や漁業などが営まれています。
新潟港から汽船に揺られて1時間ちょっとで佐渡島に到着。
島というより町といっていいくらい、港は発展しています。
旅の途中、佐渡のシンボルである朱鷺(トキ)を車から見ることができました。サギもたくさんいるので、よく見ないと分からないですが、飛ぶ時に翼が朱鷺色(朱色)が朱鷺のようです。
via <a href=”http://itouyaryokan.com” target=”_blank”>画像提供:佐渡の旅館 ご縁の宿伊藤屋</a>
車で案内いただくと、田んぼが一面に。
農業の中心は米作りを中心に、おけさ柿、ル レクチエ、りんごなどの果樹栽培が盛ん。また、出荷頭数が少なく「幻の牛」といわれる佐渡牛などの畜産業にも取り組んでいます。 漁業ではカニ、エビ、イカ、ブリ、マグロなど様々な種類の魚介類が水揚げされるほか、加茂湖や真野湾で育てられる牡蠣や、アワビ、サザエ、海藻類など、まさに海産物の宝庫。 佐渡に行くまでは知りませんでしたが、海産物だけではなく、食には困らないくらいなんでも豊富な日本海最大の離島です。 豊富なフルーツを中心に、佐渡の魅力をご紹介したいと思います。
via <a href=”http://itouyaryokan.com” target=”_blank”>画像提供:佐渡の旅館 ご縁の宿伊藤屋</a>

 【スイーツで旅しよう:食材】希少価値の高い洋梨”ルレクチェ”

セイヨウナシの貴婦人 ルレクチェ
新潟の特産品 

西洋梨の品種の1つで、芳醇で甘く、食感がまろやか。果肉も軟らかく、日本では寒冷地の一部でのみ栽培されているため、希少価値の高い果実として有名です。
日本では新潟県が発祥とされており、新潟の特産品。当然、佐渡島でも美味しいルレクチェが栽培されているのです。
11月終わりごろから12月半ばが旬。短い期間しか出回らないル レクチェですが、この時期にしか味わえない冬の味覚です。 (引用JA羽茂)
ル レクチェの食べごろ
収穫してから1ヶ月以上寝かせておき(追熟といいます)、食べごろが近づいてきたものを順番に出荷しています。
表面の色がブライトイエローに変わり、甘い香りが漂ってきたら食べ頃です。青みが残るものは室温に数日おいて食べごろを待ちます。

レシピ ルレクチェソースの簡単レアチーズケーキ

材料(2人分)

クリームチーズ
100g
はちみつ
15g
レモン汁
3g
生クリーム35%
70g
ルレクチェソース
30g
ルレクチェ果実
少々
(洋ナシで代用できます)

作り方

  • 1
    常温で戻したクリームチーズと、はちみつをボウルに入れて混ぜる。
  • 2
    レモン汁を1に加え混ぜる。
  • 3
    生クリームを8分立てに泡立てる。
  • 4
    3に泡立てた生クリームを混ぜ合わせる。
  • 5
    お好みの型やセルクル、グラスに4の生地を入れて1時間以上冷やし固める。
  • 6
    ルレクチェソースと果実を添えて出来上がり!

コツ・ポイント

生クリームはしっかり泡立てましょう。ゆるい状態で混ぜ合わせてしまうと、冷やしても固まらなくなってしまいます。

 【スイーツで旅しよう:レシピ】ルレクチェソースの簡単レアチーズケーキ

①常温で戻したクリームチーズとはちみつをボウルに入れて混ぜ、レモン汁を加える。
②8分立ての生クリームを①に加え合わせる。
※ポイント!
生クリームはしっかり泡立てないりとレアチーズケーキが固まらなくなってしまうので、8分立てにしてから生地に加えましょう。
③お好みの型やセルクル、グラスに4の生地を入れて1時間以上冷やし固める。
④ルレクチェソースと梨を飾って完成!
家にある食材で簡単レアチーズケーキ!お好みのソースでバラエティ豊かなレアチーズケーキをお楽しみください☆

 【スイーツで旅しよう:食材】佐渡の名産品「おけさ柿」

おけさ柿は温暖な気候と清澄な佐渡の自然の中で育てられ、佐渡の羽茂地区が有名です。 「平核無」と「刀根早生」という柿の品種の渋柿で、出荷するときに渋を抜いて甘い状態で販売されています。
口の中でとろけるようなまろやかな食感と甘味が特徴。
渋みが残る場合は、なるべく暖かい所でビニール袋等で2、3日密封すればよいそうです。
via <a href=”http://itouyaryokan.com” target=”_blank”>画像提供:佐渡の旅館 ご縁の宿伊藤屋</a>

 【スイーツで旅しよう:レシピ】おけさ柿のフルーツ羊羹

レシピ おけさ柿のフルーツ羊羹

材料(パウンドケーキ型1台分)

おけさ柿ピューレ
100g
(柔らかくて甘い柿をブレンダーでピューレ状に)
100g
粉寒天
2.5g
粒餡
100g

作り方

  • 1
    水と粉寒天を鍋に入れ、混ぜながら沸騰させる。
  • 2
    粒餡とピューレをボウルに合わせ混ぜる。
  • 3
    沸騰した1を2のボウルに少しずつ加え混ぜる。
  • 4
    パウンドケーキ型に生地を流し、冷やし固める。
  • 5
    お好みのサイズにカットして出来上がり!

コツ・ポイント

粉寒天はダマになりやすいので、お水に少しずつ溶かして!少量の砂糖と粉寒天を予め混ぜてからお鍋にいれてもOKです。
①水と粉寒天を鍋に入れ、混ぜながら沸騰させる。
※ポイント
粉寒天はダマになりやすいので、お水に少しずつ溶かして!少量の砂糖と粉寒天を予め混ぜてからお鍋にいれてもOKです。
② 粒餡とピューレをボウルに合わせ混ぜ、①を少しずつ加え混ぜる。
③パウンドケーキ型に生地を流し、冷やし固める。
④お好みにカットしてできあがり!
お水を牛乳に変えて、苺のミルク寒天などアレンジ自在です☆

 【スイーツで旅しよう:食材】越後姫

新潟ブランド”越後姫”
”越後姫”は新潟のブランド苺。

「可憐でみずみずしい新潟のお姫様」というイメージから「越後姫」と名付けられました。大粒の品種で甘みが強く、果肉が柔らかい苺です。
新潟県の冬は、気温が低く、日照が少ないため、1月~6月にかけて収穫される「越後姫」は、花が咲いてから収穫するまでの期間が長く、そのため、酸味が少ない、甘い果実になります。

 【生産者】さいとう農園

斎藤農園
苺を中心に、お米、果物を環境にやさしい農法で育てている「斎藤農園」の斎藤さんにお会いしました。
農業一筋で、楽しみながら安心安全の農業を日々続けていらっしゃいます。
フルーツ&カフェさいとう
農園に併設されている「フルーツ&カフェさいとう」。
季節のフルーツジュースはじめ、フレッシュなメニューをお楽しみいただけます。旬の時期は、採れたての「越後姫」が食べられます!
カフェの定番商品”けずり苺”
8月にカフェに行ったときは既に売り切れていた大人気のけずり苺!
てんこ盛りの苺に練乳をかけて500円です。

平日、お店のオープン時間に出向いたにも関わらず、すでに数名並んでいた大人気店でした。
斎藤さんがりんごの絞りたてスムージーと、旬の桃をアイスと一緒に出してくださいました。果物が本当に美味しい!
農園の隣りにあるからこそ食べられる、採れたてのメニューが盛りだくさんです。
旬の果物の直売やカレーも販売されています。


レシピ 越後姫ソースのふわふわパンケーキ

材料(約6枚分)

全卵
中2個
牛乳
80g
砂糖
20g
薄力粉
80g
ベーキングパウダー
5g
苺ピューレ
50g
(生果に砂糖を20%、レモン汁少々を加えて煮詰めたものの代用も可。)
ベリーミックス
40g
トッピング:
生クリーム、粉糖

作り方

  • 1
    全卵を卵白と卵黄にそれぞれボウルに分ける。
  • 2
    卵黄に砂糖7gを加えて白っぽくなるまで混ぜる。
  • 3
    2に牛乳を加え混ぜる。
  • 4
    ふるった薄力粉とベーキングパウダーを3にふりいれ、練らずにさっくり合わせる。
  • 5
    卵白に残りの砂糖を3回に分けて加え、メレンゲを作る。
  • 6
    メレンゲを4に2.3回に分けて合わせ、メレンゲをつぶさないよう混ぜる。
  • 7
    油を敷いたフライパンに6の生地を丸く流し、蓋をする。
  • 8
    生地の表面にぽつぽつと穴が空いてきたら、フライ返しでひっくり返す。
  • 9
    蓋をして3分程度焼く。
  • 10
    苺ピューレとベリーミックスを小鍋にいれて火にかけ、混ぜながら煮詰める。
  • 11
    パンケーキにソースとクリーム、粉糖などを飾りできあがり。
①卵黄に白砂糖を混ぜる
②白っぽくなるまで混ぜ、牛乳を加える。
白っぽくなるまで混ぜ、牛乳を加える。
③ふるった薄力粉とベーキングパウダーを②に入れ、練らずにさっくり合わせる。
④メレンゲを4に2.3回に分けて合わせ混ぜる。
※ポイント
メレンゲは1回目は、しっかり生地となじませながら混ぜる。2,3回目はなるべくメレンゲの泡をつぶさないように混ぜること。
⑤熱したフライパンに④の生地を丸く流し、生地の表面にぽつぽつと穴が空いてきたら、フライ返しでひっくり返す。
⑥蓋をして3分程度焼いたらパンケーキの出来上がり!
⑦苺ピューレとベリーミックスを小鍋にいれて火にかけ、混ぜながら煮詰める。
⑧ソースをパンケーキにかけてできあがり!

 スイーツで旅しよう:佐渡の魅力をもっと知りたい!

佐渡特選市場
今回はフルーツをメインにご紹介しましたが、島の特産品は海産に畜産、お酒など他にも魅力的な食材がたくさんあります。佐渡島内にある”特選市場”では、直売所として新鮮なお野菜や特産品をお買い求めいただけます。私がおすすめの商品をいくつかご紹介!

佐渡特選市場
新潟県佐渡市新穂大野1650-2 TEL(FAX兼用): 0259-22-2925 営業時間:  9:00~17:00  休日 年中無休(臨時休業あり)
via http://www.sadotokusen.jp/user_data/ichiba.php
蔵元のあまざけ(ノンアルコール甘酒)
天領盃酒造の甘酒。 佐渡島、峰 "金北山" からの伏流水と、最新機器の駆使による徹底した品質管理 で作られた甘酒。
添加物は一切加えていないので、自然な甘み、すっきりとした後味が楽しめます。
私も佐渡特選市場にて、夏に氷できんと冷やして美味しくいただきました。
佐渡バター
佐渡乳業の「佐渡バター」。
手づくりにこだわった極上の一品。佐渡産の原材料にこだわり、厳選した生乳と佐渡海洋深層水100%で出来た食塩を使用しています。風味を醸す木製バターチャーン(樽型)を使用し成型も1個ずつ手作りにこだわった商品。
牛乳、チーズはもちろん、ラスクやクランチなどのお菓子も製造しています。
お土産に最適です。
いごねり
佐渡島で初めて知った海藻、”いごねり”。
古来より佐渡に伝わる郷土伝承食品で、原料は“いご草”という海草。ホンダワラ類の海草に絡みついて成長する。巻き状と角状のものがあり、画像は巻き状のいごねり。甘口醤油で薬味などと一緒にいただきます。
島では 冠婚葬祭、毎日の食事に欠かせない食品です。
丸の内 佐渡特選館
東京でも、佐渡の食材が買えるアンテナショップがあります。
佐渡島には一度しか行ったことがないですが、実際に行ったことで、もっと食べてみたい、見てみたい、気になる食材がたくさんあります。
マガジンを拝見いただいたことで、佐賀の魅力に少しでも触れていただけたら嬉しいです。

丸の内 佐渡特選館

東京都千代田区丸の内3-1-1 国際ビル1階 128区 帝国劇場裏
JR有楽町駅より徒歩1分 日比谷線日比谷駅より徒歩2分
営業時間:  平日 11:00~18:30  土・日・祝日 11:00~17:00  休日 不定休・年末年始

 スイーツで旅しよう:10月号 おわりに

次回は宮城県、亘理・山元町
佐渡の美味しい!が伝わったでしょうか。
来月は、6.7回以上お邪魔させていただいている宮城県の亘理・山元町をご紹介したいと思います。こちらの地域は、東北大震災で被災された土地で、 いまだに仮設住宅で生活さている方がいらっしゃたり、復興途中で工事をする中、、現地の生産者さんはとても元気に、美味しい食材を作って頑張っています。亘理・山元の食材を使ったスイーツレシピ、ぜひご覧ください☆
via アセロラ
【ミイル先生マガジンについて】

ミイル先生マガジンは、毎月発行されるマガジンを購読するとミイルを利用して、色々な専門家の先生と直接アカウントを通じてコミュニケーションできる新しいメディアです。

是非、maaco 先生のミイルアカウント @kitchenmaaco をチェックして、先生の活動を確認しながら直接質問してみましょう。マガジンでは、語りつくせないスイーツの魅力を実感できますよ。

来月は、どんなスイーツが登場するかな・・・お楽しみに!
【著者について】
maaco 
フリーパティシエ

大学にて栄養士を取得。小さい頃からスイーツを作ること、食べることが大好きで学生時代にレストランのパティシエの見習いを始め、キルフェボンやカフェなどで学び、卒業後は学生時代に出逢った師匠のケーキ屋にて修行。
その後デザート会社に就職し、店舗立ち上げ、マーケティング、開発等を経て独立。

10年以上、幅広くスイーツの仕事に携わっていた知識と経験を生かして、美味しいスイーツを様々な形で発信しています。

HP http://maaco.strikingly.com/

【奥付き】

ミイル先生マガジン

 maacoとスイーツな日々



2016年(平成28年)10月17日 電子書籍発行

著 者 関谷真紗美

    ©2016 Masami Sekiya



発行者 ミイル株式会社 代表取締役 高階 匡史

本作品の内容を無断で複製・複写・放送・データ放送配信・転載・改ざん・公衆送信(ホームページなどに掲載することを含む)することは、固くお断りいたします。
この記事のキュレーター
この記事のキーワード
この記事に関係するカテゴリー